2019/01/09

Android: /data/data配下にadb push

/data/data/<Application ID>/配下にADBでファイル追加しようとするとpermission errorで失敗した✍

issueはこれ.
https://issuetracker.google.com/issues/37138359

Android Studioに付属してるFileExplorerを使えばファイルを追加できた.
FileExplorerは次の手順を踏んでいた。

# ファイルを一時領域へコピー 
$ adb push hoge /data/local/tmp 

# アプリユーザに切り替え 
$ adb shell 
$ adb run-as <Application ID>

# ファイルコピー 
$ cp /data/local/tmp/hoge /data/data/<ApplicationID>/hoge

## ↑でエラーが出た場合はcatリダイレクトする
$ cat /data/local/tmp/hohe > /data/data/<Application ID>/hoge

FileExplorerのコードはこの辺.

https://android.googlesource.com/platform/tools/adt/idea/+/studio-3.2.1/android/src/com/android/tools/idea/explorer/adbimpl/AdbDeviceDataDirectoryEntry.java#246

https://android.googlesource.com/platform/tools/adt/idea/+/studio-3.2.1/android/src/com/android/tools/idea/explorer/adbimpl/AdbFileOperations.java#225

以上.

2018/12/23

Android: 擬似的に日本に夏時間を導入してテストする

はじめに

i18n対応で考えないといけないことの1つに夏時間(Daylight Saving Time)があります.
夏時間のテストはいくつかの理由で難しい場合が多いです.

  • サーバAPI開発中で, 海外へのサービス提供が蓋閉めされている
  • 夏時間がくるまで待てない

そこで, 日本でも夏時間が導入されていることにして, 好きなタイミングでJST(Japan Standard Time)↔️JDT(Japan Daylight Saving Time)を切り替えられればテストが捗りそうです.

本稿は, そのような環境を構築するためにTZDB(Time Zone Database)をテスト用に編集して, それをシステムに認識させる方法を紹介します.

本稿執筆時点でのTZDB Versionは2018gが最新です. 以降は最新が 2018g の前提で話を進めます.

ThreeTenBp と ThreeTenABP

ThreeTenBpはTime Zone情報のロード周りでメモリ効率が悪いため, Android向けにThreeTenABPが提供されています.

ThreeTenBpを使用するためにはTime Zone情報を提供する必要があります.
ThreeTenABPはその手続きを肩代わりしてくれるライブラリです.

ThreeTenABPは, ThreeTenBp(/IANA)が提供する TZDB.dat を Assetsに内包し, AndroidThreeTen.init でこれを ZoneRulesProviderに登録する AssetsZoneRulesInitializerを実行します.

ThreeTenABPがやっていることはこれだけです.
自前でAssetsZoneRulesInitializerTZDB.datを用意して, ZoneRulesProvider に登録すれば同じことが実現できるので, 次のようなクラスを用意しておけば, 好きなTZDB.datを登録できるようになります.

class AssetsZoneRulesInitializer(private val context: Context) : ZoneRulesInitializer() {
  override fun initializeProviders() {
    context.assets.open("TZDB.dat").use {
      ZoneRulesProvider.registerProvider(TzdbZoneRulesProvider(it))
    }
  }
}

// Application.onCreateで下記を実行する
ZoneRulesInitializer.setInitializer(AssetsZoneRulesInitializer(this))

今回は, テスト用に定義した TZDB.data を作成・登録することで, 擬似的に日本にも夏時間があることにします.

カスタム TZDB.dat 生成手順

  1. ThreeTenBP GitHubをクローン
  2. IANAから最新のTZDBをダウンロード
  3. クローンしたソースの src/tzdb/{tzdb-version} に, 展開したTZDBファイルを移動
  4. TZDBを編集
  5. mvn clean package -Dtzdb-jar を実行
  6. target/threeten-TZDB-{version}.jar から TZDB.dat を抽出

1. ThreeTenBP GitHubをクローン

ThreeTenBP GitHub にはTZDBを読み込んでビルドし, TZDB.datを生成するコンパイラ TzdbZoneRulesCompiler があります.
TzdbZoneRulesProviderに読み込ませるTZDB.datを生成するためにこのレポジトリをクローンします.

2. IANAから最新のTZDBをダウンロード

TZDBを管理するInternet Assigned Numbers Authority(IANA)から最新のTZDBをダウンロードすることができます.

ダウンロードできる種類がいくつかありますが, 今回はタイムゾーン情報があればよいので “tzdata2018g.tar.gz - Data Only Distribution” を選びます.

3. クローンしたソースの src/tzdb/{tzdb-version} に, 展開したTZDBファイルを移動

手順2でダウンロードした tar.gz を展開するとTZDBファイルが入っています.
このTZDBファイルを, 手順1でクローンしたThreeTenBpsrc/tzdb/{tzdb-version}ディレクトリに移動します.

クローン直後は srcディレクトリ直下に tzdb ディレクトリはないので作成しておきます.
また, 注意点として {tzdb-version} の名前は下記の正規表現にマッチする必要があります

[12][0-9][0-9][0-9][A-Za-z0-9._-]+

OK: 2018g
NG: tzdb-2018g

tar.gzを展開してできるディレクトリ名には余計なプレフィックス tzdb- が入っているので注意が必要です.

最終的に, asia ファイルの場所は下記になります.

{threetenbp-root}/src/tzdb/2018g/asia

4. TZDBを編集

手順3で移動したTZDB情報を編集します.
今回は日本に夏時間があった場合をシミュレーションするため “Asia/Tokyo” リージョンの情報が定義されている {threetenbp-root}/src/tzdb/2018g/asia ファイルを編集します.

日本(Asia/Tokyo)のタイムゾーン情報は 2018g では次のように定義されています.

# Rule  NAME    FROM    TO  TYPE    IN  ON  AT  SAVE    LETTER/S
Rule    Japan   1948    only    -   May Sat>=1  24:00   1:00    D
Rule    Japan   1948    1951    -   Sep Sat>=8  25:00   0   S
Rule    Japan   1949    only    -   Apr Sat>=1  24:00   1:00    D
Rule    Japan   1950    1951    -   May Sat>=1  24:00   1:00    D

日本でも過去に夏時間(夏時刻法)があったことがわかります.

TZDBのフォーマットは人間にも読めるようになっています.
フォーマットルールはzic man pageに載っています.
これに則り, 日本に夏時間を導入するため次の1行を追加してみましょう.

Rule  Japan  2018  only  -  Dec  23  00:00  1:00  D

これで, TZDB的には 2018/12/23 00:00:00(JST) から日本では夏時間(JDT)が適用されるようになります.

5. mvn clean package -Dtzdb-jar を実行

TzdbZoneRulesCompilerを使って編集したTZDBをもとに TZDB.dat を生成します.
ThreeTenBpのルートで下記のコマンドを実行するとTzdbZoneRulesCompilerがビルドを始めます.

mvn clean package -Dtzdb-jar

実行するとビルドログが出力されます.
下記のように Source directory contains no valid source folders のログが出力される場合はTZDBのディレクトリ名かパスが間違っており, TzdbZoneRulesCompilerがTZDBをうまく認識できていない可能性があります. その場合は手順2をやり直しましょう.

Source filenames not specified, using default set
(africa antarctica asia australasia backward etcetera europe northamerica southamerica)

は, 今回特にファイル名を指定していないので出力されても問題ありません.

...
[INFO] --- exec-maven-plugin:1.2.1:java (default) @ threetenbp ---
Source filenames not specified, using default set
(africa antarctica asia australasia backward etcetera europe northamerica southamerica)
Source directory contains no valid source folders: xxx
...

編集したTZDBがうまく読み込まれなかった場合も BUILD SUCCESS となるので注意してください. その場合, 後述の threeten-TZDB-2018g.jar が出力されません.

6. target/threeten-TZDB-{version}.jar から TZDB.dat を抽出

TzdbZoneRulesCompiler のビルド結果はThreeTenBpプロジェクトルート直下の target ディレクトリに出力されます.
ビルドが成功すると target/threeten-TZDB-2018g.jar が出力されます.

このJarファイルに目的のTZDB.datが含まれているので, それを抽出します.
下記のJarコマンドで内包されているファイルパスの一覧を取得します.

jar tf {threeten-TZDB-2018g.jar のパス} 

今回のケースでは org/threeten/bp/TZDB.datTZDB.datがありました.
同じくJar コマンドでこれを抽出します.

jar -xvf {threeten-TZDB-2018g.jar のパス} org/threeten/bp/TZDB.dat

コマンドを実行したディレクトリに org/threeten/bp/TZDB.dat が抽出されます.

テスト

日本にも夏時間が定義されたTZDB.dat が作成できたので, これをZoneRulesProviderに登録します.

class AssetsZoneRulesInitializer(private val context: Context) : ZoneRulesInitializer() {
  override fun initializeProviders() {
    context.assets.open("TZDB.dat").use {
      ZoneRulesProvider.registerProvider(TzdbZoneRulesProvider(it))
    }
  }
}

// Application.onCreateで下記を実行する.
// AndroidThreeTen.initは実行しない(ThreeTenABPは使わない)
ZoneRulesInitializer.setInitializer(AssetsZoneRulesInitializer(this))

この状態で, ZonedDateTimeを使って日本時間表示してみると夏時間が適用されていることがわかります.

ZonedDateTime
  .now(ZoneId.of("Asia/Tokyo"))
  .format(DateTimeFormatter.ISO_DATE_TIME)

// 出力: 2018-12-23T15:26:19.295+10:00[Asia/Tokyo]

ZoneId.of("Asia/Tokyo").rules.isDaylightSavings(Instant.now())

// 出力:true

以上です.

参考: